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 「指折り数えて待つクリスマス」という気持ちがよくあらわれているものとして、イギリスには、クリスマスをカウントダウンするための特別なカレンダーがあります。カレンダーは紙製の市販品や布製のハンドメイドまでいろいろあり、“Advent Calendar”(アドベントカレンダー)と呼ばれています。
  そのカレンダーには、12月1日から24日(25日)まで、クリスマスまでの日数が一つずつ描かれています。そして、それぞれの数字の裏に小さなポケットや扉がついていて、その中にキャンディーチョコレートが一個ずつ入っています。子どもたちは、それを毎日一つそのポケットを開け、中に入ったキャンディーを一個づつ大事にほおばりながら、クリスマスを楽しみに待つのです。
  子どもたちがカレンダーをめくりながらクリスマスを心待ちにする姿は、「あといくつ寝るとお正月・・・」と唄った日本の子どもたちと同じですね。
 
  “Advent”とは、クリスマス前の4週間を指す「降臨節」という意味の宗教用語ですが、それはちょうど12月にはいる頃、イギリスの人たちがクリスマスの準備を意識する頃なのです。
 
クリスマスまでの
カウントダウンカレンダーを作ってみましょう。
 
 
 12月にはいると、イギリス中の街は一気にクリスマスカラーに変わります。ロンドンのような大都市から、地方の小さな町や村まで、ショーウインドーは赤と緑に飾られ、サンタクロースやトナカイ、そしておすすめのプレゼントが店頭を飾ります。商店街にはカラフルなイルミネーションが飾られ、買い物をする人たちの気分はもうすっかりクリスマスです。

 家の中にもクリスマスがやってきます。
  マーガレットさん家では、クリスマスが近づいてくると、ヒーターの上に輪切りにしたオレンジが並べられます。4日くらい経つと、それらはきれいなオレンジ色を残した乾燥オレンジになります。そのオレンジと松ぼっくり、ツリー用の玉飾りをキャンドルのまわりにあしらえば、マーガレット特製のキャンドルデコレーションのできあがりです。それを、ヒイラギやツタの葉、キャンドルなどの小物と一緒に暖炉のまわりに飾って、クリスマスの訪れに備えます。
  冬でも緑の葉がなくならないヒイラギやツタの葉は、生命力のシンボルとされています。そうした常緑樹を部屋の中に飾ることは、キリスト教以前から行われていた冬至の頃の風習です。
 
  クリスマスツリーの飾り付けは、子どもたちの楽しみの一つです。大きなもみの木は、1階のラウンジにある出窓の前に置かれ、飾り付けられるのを待っています。本来ツリーの飾りつけは24日のクリスマスイブにするものでしたが、最近では12月中旬を過ぎた頃から飾り始める家が多いようです。もみの木に、人形やカラフルな玉飾り、ぴかぴかと光る電飾を飾りつけていきます。
  夕暮れ時に通りを散歩をすれば、飾り付けを終わったそれぞれの家のクリスマスツリーが窓越しにきらきらと輝き、とてもきれいです。家の外側にカラフルな電飾をめぐらしたり、サンタの人形を窓に下げたりと、賑やかに飾る家もあります。クリスマスを待ち望むそれぞれの家族の姿が目に浮かんでくるようです。

 
 
 
 
年賀状を出す前に、
クリスマスカードを送ってみましょう。
 
 
 イギリスでは、クリスマスカードはクリスマス当日だけに届くものではありません。12月の10日頃にはじまって、クリスマスの前まで毎日のようにクリスマスカードが家のポストに届きます。家族や親しい友達から、遠く離れて住む人たちからは郵便で届き、近くの人からは手渡しで受け取ります。カードはちょっと大きめサイズの二つ折りのものがポピュラーです。
  カードの表には、サンタクロースや雪景色、ガチョウ、ヒイラギ、ツリーなどクリスマスにちなんだあたたかみのある写真やイラストがあります。内側にその人へのメッセージを書けるようになっています。
  届いたカードは、暖炉の飾り棚や、テレビ棚の上など、目につくところに順に立てて並べられていきます。マーガレットさん家でも、20日頃までには、50枚以上のカードが届きました。最初の頃はダイニングのテレビの置いてある棚の上に並べていましたが、さらにカードが増えてくると、置く場所がなかったり重なり合ってカードが倒れたりします。そんなときの裏技として、部屋や廊下の壁に両面テープで貼り付けて並べるのがマーガレット流。「こうしておくと、いくら風が吹いても倒れなくていいでしょう」と、ナイスアイディアです。
  その中で目にとまった、黒い目の可愛らしい小さな鳥が描かれているカード。マーガレットに尋ねると、“ロビン”という渡り鳥で、クリスマスのシンボルになっているのよと教えてくれました。赤い胸の毛が雪景色によく映えます。
  
  イギリスの商店街には、日本よりたくさんのカードショップがあります。マーガレットの住む街にも5軒のカード専門店があり、そのほかにも本屋や文具屋などの一番目立つ場所にもカードコーナーがあります。どこの店も、クリスマスが近づくころにはカードを買い求める人たちでにぎわいます。カードショップを何軒もはしごして、気に入ったカードを探す人もいます。
  カードショップは、クリスマスが終わったあとは何を売っているの?という疑問も出てくるでしょうが、それは大丈夫なんです。クリスマスのあとも、バレンタインデーカード、イースターカード、母の日カード、そして一年を通した誕生日カードなど、イギリス人がカードを贈らない季節はないのです。
 
 
 
 日本では、クリスマスイブといえば恋人たちのための日、というイメージが強いかもしれません。イギリスでは、もともとクリスマスイブにはクリスマスツリーをデコレーションするものでした。けれども、今では中旬くらいから飾ることが多く、クリスマスのメインはあくまでも翌日の12月25日です。

  クリスマスイブの夜、小さい子どもたちはベッドの横にくつ下をぶらさげて、ファーザークリスマスの訪問に備えます。

  そして「早く明日になるように」と、いつもよりずっと早い時間にベッドに入り、明日の訪れを心待ちにするのです。
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