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今回は、タオル人形作家の及川丈夫さんにインタビューしました。
インタビュアーは、ヤムレポ「保育士のタマゴが見た海外のKODOMOたち」をレポートしてくれているMakさんです。

インタビューの席、及川さんがカバンから取り出したマフラーの先には、輪ゴムと市販の(白と黒の)シールを使って作られたクマがぶらさがっていました。
そのかわいさにひかれたのか、たまたま隣のテーブルに座っていた(たぶん4、5歳の)子どもがちょろちょろ通路に出てきてはマフラーの先の不思議なクマに目をやっています。

十数年前、タオルを糸と針で縫って作る人形を見て、針を使わずに、タオルと輪ゴムで人形を作ることを思いついたという及川さん。その「タオル人形」にこめられた想いとメッセージはどのようなものなのでしょうか。

○ タオルを折ったり丸めたりして人形を作ると聞くと、折り紙を思い浮かべる人も多いかと思いますが、折り紙との共通点は何かありますか?

紙一枚、タオル一枚でコミュニケーションがとれるということでしょうか。ただ、折り紙と少し違うところは、タオル人形にはきっちり決まった形がないということ。(輪ゴムを取ればもとのタオルに戻るので)何度でも作り直しができるし、汚れたら洗ってまた作ることができる、「こうでなければいけない」というものがないから、自分でかわいいと感じたものがかわいいと、誰もがそう思うことができるんです。

○ 「きっちり決まった形がない」と聞き、実際及川さんが作っている姿を見ていると、まるで粘土で何かを作っているような印象を受けますが。

粘土、もしくはプラモデル感覚と言ったところですね。作り方が簡単なので、これによって世代を越えたコミュニケーションが自然と生まれてきます。今まで「ぬいぐるみ」と言えば家の中ではお母さんの専売特許でしたが、このタオル人形は誰でも作ることができます。そうすると、例えば子どもがお母さんに「それ違うよ」とか「そこはこうだよ」というような、これまでとはちょっと違った様々なコミュニケーションがタオル人形を通して行われることになる、これもタオル人形の持ち味のひとつだと思います。

○ これまでたくさんの人たちの間でタオル人形を作ったり遊んだりしていて、タオル人形を見せたときの意外な反応や、面白い使い方・遊び方などありましたら教えてください。

毛布でカメを作ったときに、それを枕にして寝ている子どもがいましたね。また、ヘビを肩たたきとして(しっぽの部分を持って頭の部分で肩をたたく)使ったり、ボールを作ればお手玉としても遊べたり、人形として以外にもいろんな使い方があると思います。


マフラーの先には手作りのクマ






タオル人形のワークショップにて、参加した子供たちと一緒に


「決まった形」がないのと同じように、「決まった使い方」というものもない。作る人・使う人が自由な発想で自由に作り自由に使うことができる。だから、いろんな形でいろんな人がタオル人形を通してつながることができる。さらに、ゴムアレルギーのないシリコンゴムや、赤ちゃん用・敏感肌の人のためのオーガニックタオルを使うことで、タオル人形はさらにその可能性を広げると話す及川さん。及川さんにとってタオル人形とは?

今は、タオル人形を世界の文化にしたいと思っています。世界中どこへ行ってもあるタオルと輪ゴム、そしてかわいいものをかわいいと思う気持ち。世界には、宗教、人種などいろいろな区別がありますが、タオル人形を通じてそこに共通するものを見つけられるのではないかと考えています。そのために今年はまずタオル人形を作る指導者を育成し、(日本の中で指導者を確保し、国内での普及の基盤を作った上で)来年アメリカに渡り本格的にタオル人形の普及とアメリカ国内での指導者の育成を始めようと思っています。

○ これまでも国内外問わず様々な土地を訪れてきたとのことですが、普及のために各地に行った時の一番の思い出は?

2002年の暮れに、タオル人形のことを知らせるメールをあちらこちらのタオル会社に送ったんです。そのとき、いくつかの会社がタオルを送ってきてくれたのですが、その多くの会社が試供品として数枚送ってくれた中、タオル100枚を送ってくれた会社がありました。これはぜひお礼に行きたいと思ったのですが、行く先は四国の今治にある池内タオルというタオル会社。十分な交通費が用意できなかったんです。それでも、どうしてもお礼に行きたいと思ったので、翌年の1月にヒッチハイクで行くことにしました。寝袋を担いで43台の車をヒッチハイクで乗り継ぎ、3日がかりで到着したその会社では、社長さんがずっと待っていてくれていました。

及川さんの普及活動は、「大きなブームを作る」ということよりも、どこへ行っても現地の人々と、ひとりひとりとの直接のつながりを一番大切にしながら「小さな芽をひとつずつ作っていく」こと。これまで日本各地・台湾・韓国・中国・アメリカを訪れる中で、万里の長城でマフラー人形を作って周りの人を楽しませたり、移動中の飛行機の中ではタオル人形を作っていたら乗務員や他の乗客の輪がいつの間にか自分の座席の周りにできていたり、どこへ行っても「囲まれる」ことが多かったと言います。そんな思い出を語る及川さんのひとつひとつの言葉とその姿からは、身をもってタオル人形の持つ力を感じてきた様子をうかがうことができます。

及川さんが一番大事にしていることは人とのつながり。人とのつながりがしっかりした社会を作りたい、そのためのひとつの手段としてタオル人形がある。

そして、及川さんは自身を「小さな石ころ」と例えます。

    「自分は石ころ」。 誰かがちょっとつまずいて、気づいてくれたり、
     その人が進む方向を変えたりしてくれることがあれば、それが嬉しい。

タオル人形と出会った時点で、そのたった一つのタオル人形の周りにいる人々が、年齢、性別、人種、その他様々な「区別」を越えて、わずかな時間で自然とつながっていく。人間が例外なく必ず持っているもの、そこに入り込むことができ、それに関わるすべての人々にきっかけと力とつながりを与えてくれる。それが「世界の文化」を目指す「タオル人形」の本当の魅力、そして力であるのかもしれません。

○ 最後に、及川さんの信条を聞かせてください

    「夢は必ずかなう」。いかに信じるか ということ、ですね。







終始、穏やかな口調と雰囲気で丁寧に応じてくれた及川さん。またひとつ「つながり」と「小さな芽」を、僕自身の中にも残してくれたような気がします。
ありがとうございました。(Mak)

及川さんのブログはこちらです。
『世界に広がれ!! タオル人形』
http://blogs.yahoo.co.jp/shinbonboshin

及川さんより、ヤムヤム読者の方へプレゼントがあります。
タオル人形の解説ビデオ“タオル de たおる”のCD-ROMを2名の方に。 ご希望の方は、ヤムヤム編集室
tomika@tomika-c.com
宛にメールにてご応募ください。

→ ご応募の受付は終了しました。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。


タオル人形の作り方を教える及川さん(2月17日仙台市民センター・ボランティアフォーラムにて)


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