「決まった形」がないのと同じように、「決まった使い方」というものもない。作る人・使う人が自由な発想で自由に作り自由に使うことができる。だから、いろんな形でいろんな人がタオル人形を通してつながることができる。さらに、ゴムアレルギーのないシリコンゴムや、赤ちゃん用・敏感肌の人のためのオーガニックタオルを使うことで、タオル人形はさらにその可能性を広げると話す及川さん。及川さんにとってタオル人形とは?
今は、タオル人形を世界の文化にしたいと思っています。世界中どこへ行ってもあるタオルと輪ゴム、そしてかわいいものをかわいいと思う気持ち。世界には、宗教、人種などいろいろな区別がありますが、タオル人形を通じてそこに共通するものを見つけられるのではないかと考えています。そのために今年はまずタオル人形を作る指導者を育成し、(日本の中で指導者を確保し、国内での普及の基盤を作った上で)来年アメリカに渡り本格的にタオル人形の普及とアメリカ国内での指導者の育成を始めようと思っています。
○ これまでも国内外問わず様々な土地を訪れてきたとのことですが、普及のために各地に行った時の一番の思い出は?
2002年の暮れに、タオル人形のことを知らせるメールをあちらこちらのタオル会社に送ったんです。そのとき、いくつかの会社がタオルを送ってきてくれたのですが、その多くの会社が試供品として数枚送ってくれた中、タオル100枚を送ってくれた会社がありました。これはぜひお礼に行きたいと思ったのですが、行く先は四国の今治にある池内タオルというタオル会社。十分な交通費が用意できなかったんです。それでも、どうしてもお礼に行きたいと思ったので、翌年の1月にヒッチハイクで行くことにしました。寝袋を担いで43台の車をヒッチハイクで乗り継ぎ、3日がかりで到着したその会社では、社長さんがずっと待っていてくれていました。
及川さんの普及活動は、「大きなブームを作る」ということよりも、どこへ行っても現地の人々と、ひとりひとりとの直接のつながりを一番大切にしながら「小さな芽をひとつずつ作っていく」こと。これまで日本各地・台湾・韓国・中国・アメリカを訪れる中で、万里の長城でマフラー人形を作って周りの人を楽しませたり、移動中の飛行機の中ではタオル人形を作っていたら乗務員や他の乗客の輪がいつの間にか自分の座席の周りにできていたり、どこへ行っても「囲まれる」ことが多かったと言います。そんな思い出を語る及川さんのひとつひとつの言葉とその姿からは、身をもってタオル人形の持つ力を感じてきた様子をうかがうことができます。
及川さんが一番大事にしていることは人とのつながり。人とのつながりがしっかりした社会を作りたい、そのためのひとつの手段としてタオル人形がある。
そして、及川さんは自身を「小さな石ころ」と例えます。
「自分は石ころ」。 誰かがちょっとつまずいて、気づいてくれたり、
その人が進む方向を変えたりしてくれることがあれば、それが嬉しい。
タオル人形と出会った時点で、そのたった一つのタオル人形の周りにいる人々が、年齢、性別、人種、その他様々な「区別」を越えて、わずかな時間で自然とつながっていく。人間が例外なく必ず持っているもの、そこに入り込むことができ、それに関わるすべての人々にきっかけと力とつながりを与えてくれる。それが「世界の文化」を目指す「タオル人形」の本当の魅力、そして力であるのかもしれません。
○ 最後に、及川さんの信条を聞かせてください
「夢は必ずかなう」。いかに信じるか ということ、ですね。
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