|
イギリスへの到着を目前に、私の体に異変が起きました。体が宙に浮くような、車酔いのような、なんともいえない気持ち悪さに襲われたのです。後でわかったことですが、ヒースロー空港は町に近いため、飛行機が急降下するのだそうです。エレベーターの下りを想像してみてください。
ヒースロー空港に到着した私は、入国審査に向かいました。長い行列に並んで順番を待つ間、私は、飛行機酔いの気持ち悪さに耐えながら、入国目的を「留学にしようか、観光にしようか」と、頭の中でグルグル考えていました。
入国審査のための許可書は、ルットランドスクールから発行してもらって、持っていました。でも、留学予定は40日間と、3ヶ月以内だったので、観光目的でも入国することができるのでした。私はそれまでの2年間、公民館の英会話サークルに通い、入国審査の場面の英会話も学習していたので、実践してみようと考えていたのです。
* * *
さて、いよいよ私の番になりました。緊張しながら審査官の前に行くと、一見してイギリス人とわかる40歳くらいの男性が、ニコニコしながら「カンコウ?」と日本語で聞いてきたのです。私は思わず「サイトシーイング」と英語で答えました。
これが、私がイギリスに到着後、イギリス人と初めて交わした会話だったのです。
|