|
お土産にと用意した海苔や扇子は失敗でしたが、思いがけず好評だったのは、名刺でした。
主婦をしていた私には肩書きがありません。そこで、表に日本語、裏に英語で、住所と名前だけの名刺を自分で印刷して持っていきました。これが、ヒットでした。
ルットランドスクールでは、生徒たちは皆、ニックネーム(英国風の名前)でお互いを呼び合うことになっています。ニックネームを使う理由の1つには、生徒が様々な国から来ていて、名前の発音が難しいことがあります。私の名前の「とみ子」は、ニッネームにすると「トミ」・「トミー」と男の子になってしまいます。校長のコリンさんも一緒に考えてくれたのですが、結局、私は、そのまま「トミコ」と呼ばれることになりました。ちなみに、発音は「ミ」にアクセントをおきます。
私は名前を覚えてもらうために、ルットランドでの休憩時間に、隣の席の人に名刺を渡しました。それを見て、近くにいた生徒たちも、名刺を欲しいと、たくさん集まってきたのです。数十枚しか持って行かなかった名刺は、あっという間になくなってしまいました。
生徒たちの多くは、名刺というものに興味を示し、また、そこに書いてある漢字に興味をもったようでした。そして、名刺のおかげで、「トミコ」という名前も、みんなに覚えてもらうことができました。
* * *
現在、私は肩書き入りの名刺をもっていますが、あのときのような明るいまなざしで名刺を受け取ってくれる人はめったにいません。
|