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イギリス留学の楽しみの1つは、ケンブリッジを訪ねることでした。
私は、古い歴史を持つ大学都市ケンブリッジに憧れを抱いていました。
ケンブリッジへの列車は、キングス・クロス駅から出ています。
キングス・クロス駅は、ハリーポッターの魔法学校への入り口のある駅として有名になりましたが、私が行った時は、まだハリーポッターは映画化されていませんでした。当時、ハリーポッターを知っていたならば、私はきっと、キングス・クロス駅の9と3/4番ホームを探したことでしょう。
ケンブリッジについた私は、荷物を宿泊先のB&Bに置くと、夫を促して付近の散策に出かけました。住宅地を抜けたあたりに、人が渡るための小さな橋が架かっていました。橋を渡った私たちは、「川のある風景」に出会いました。
一方の岸は柳の木などが植えられて、土手の上は自動車道。もう一方の岸は散歩道になっていて、散歩道に沿って牧草地が広がっていました。牧草地には、放し飼いにされた牛が、のんびりと草を食んでいました。散歩道と牧草地との間には、特別なクネもなく、ベンチで読書をする人たちのすぐ後ろでも牛が草を食べていました。
また、牧草地の中にはシートを敷き、語らうカップルの姿もありました。
川の中には、父親とボート遊びをしている小さな子供たちの楽しそうな姿があり、そのそばでは、水鳥も遊んでいました。そして、時折通り過ぎる学生たちの練習するカヌーに、鳥も子供たちもおどろく様子はありませんでした。岸には、魚釣りの竿を下げている人もいました。もちろん、川と岸とを区切るクネなど、どこにもありません。
ケム川のゆったりした流れは、そこに集う人々を、そして散歩をする私達の時の刻みまで、ゆっくりにしてくれているように感じました。
ケム川に魅せられた私は、ケンブリッジ滞在中に何度となくこの川のほとりを散歩することになったのです。
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川のある生活の魅力を、ケンブリッジのケム川は見せてくれていました。
かつての日本でも、川は人々の生活にとって重要な部分を占めていたのでしょう。でも、コンクリートで囲まれた川が増えていった結果、生活の場から切り離された川は、その魅力の大きな部分を失うことになりました。
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