「私の家では、“年取りの晩”っていって、大晦日の夜からごちそうを食べるんだよ。重箱にはつめないの。ばあちゃんの時からそうだった。重箱もうちさあっけど、これは正月じゃなくて、仏様にお供えする時とか、子どもの運動会の時とかに使うんです。
煮魚・なます・豆かずのこ・イカにんじんは、今でも必ず作るよ。ニシンの昆布巻きは面倒だから最近は作んないの。でも茶碗蒸しは作るよ、私得意だから。」
「うちは煮しめの代わりに、ぜんまいの煮物を作るんだ。じいちゃんが山から採ってきたぜんまいをとっといてあるからねぇ。」
「それと会津のお正月で欠かせないのはざく煮だね。
ホタテの干し貝柱で出汁をとって。具は、こんにゃく・里芋・うど・にんじん・キクラゲを細かく切って、あとまめ麩。それを煮るの。
ばあちゃんの頃は鶏肉を入れてたんだげど、脂っこいような気がするから、私がつくるようになってからは貝柱。山の方は鶏肉を使う家が多いんじゃないかな。もっと昔は、棒タラで出汁をとっていたみたいだよ。ホラ、昔は新鮮なものが手に入らなかったから。他の正月料理もみんな乾物とか、火を通したものばっかりでしょ。
ざく煮はね、でっかい鍋でいっぱいつくるんだけど、食べる時は、ちんちゃこい(小さい)器さ盛って、何杯でもおかわりして食べるんだよ。」