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        [特集2]  オープンガーデン 〜 Welcome to our Village!

 

オープンガーデンというイベントを知っていますか?イングランド南部でひそかなブームとなっている、手作りのイベントです。丹精こめてガーデニングした自分の家の庭をたくさんの人に見てもらい、寄付金を集めてチャリティーに協力しようという企画で、その期間に限って自分たちの家の庭を開放するのです。
5月から6月にかけて、もしラッキーならばローカル新聞や町の掲示板でその情報をみつけられます。普段は入れないプライベートガーデンを見ることができるとあって、花の好きな人やホームガーデナーたちがその日を楽しみに集まります。
 



   

  今日は、トルコからの留学生のデメットさんと一緒に、イングランド南部のある小さな村で行われているオープンガーデンの様子を見てみましょう。
よく晴れた土曜日、デメットはクラスメート達に誘われて、近くの村のオープンガーデンに一緒に出かけました。デメットは花が大好き。今までもお城の庭を見学したことはありましたが、普通の民家の庭を見るのは初めて。どんな花が咲いているんだろうと期待に胸をふくらませながら、バスに乗って緑の丘を抜け、古くからの石造りの家が並ぶ素敵な村に到着しました。
デメットとクラスメート達は、まずは村の中心にある石造りの塔を目指しました。まぶしいくらいの青空に、「この日差しはイスタンブールを思い出すわ」とデメット。 

塔は教会のもので、中に入ると上品な白髪のレディが、デメットたちに“Good morning !”とほほえみかけてくれました。イベントの案内をする人たちが待機していて、地図を配ったり、村のポストカードを配ったりしています。聞けばみんなこの村に住む人たちだそうです。
デメットたちも、寄付金として2.5ポンド(約500円)を払って、チケット代わりのリーフレットをもらいました。手書きの地図には、庭をオープンしている家の場所が、アルファベットで示されていて、全部で15軒、地図と説明を見ながら好きな順番でめぐれる仕組みのようです。「探険気分で楽しいわね!」と一同ワクワク。
説明してくれたレディは、「一年で2日間しか公開しない、シークレットガーデンよ。植木や手作り雑貨を売っている家もあるから、ぜひ楽しんでね!“Enjoy Yourself!”」と送り出してくれました。

デメットたちは、まず教会から一番近い(N)さんの家から行ってみることにしました。村の中は同じようにマップを片手にした人たちでにぎやか。私たちが目指す家にもすでにたくさんの人が見学に来ているようでした。
門を入ると、上品なおばあさんが“Welcome to my garden ! Where are you from?”と、にこやかに迎え入れてくれました。「私が丹精込めて育てた花がたくさんあるから、ゆっくり見ていって頂戴ね」
建物の横を入ると、そこに広がる緑豊かなバックガーデン。庭の中央にある池を中心に、とてもよく手入れされた赤や黄色の花々がデメットたちの目にとびこんできました。「きれい!こんなにたくさんの花が咲いているなんて!」
 

「Excuse me?この青い花はなんという名前ですか?」と、デメットが近くにいた老夫婦に聞きました。
「この花は、“Love in the mist”(霧の中の愛)というの。謎めいた名前でしょう、うふふ・・・」
このイベントに来ている人たちは、みんな正真正銘の庭好き。花や植物のことも詳しいはずです。「こっちにある緑色の実はグースベリーよ。そのままだと酸っぱいけど、とてもいいジャムになるの」。
勉強熱心なデメットは、わからない英単語を聞くと、すぐに持ち歩いている辞書で調べてメモをします。
「人との会話で学んだ言葉は、学校で習ったのよりもすぐに覚えるのよ」とうれしそう。

次はお向かいの(M)さんの家へ。入り口は風船でにぎやかに飾り付けてあります。バックガーデンには、“conservatory”と呼ばれるサンルームがあり、ガラス張りのスペースに、ソファーとテーブル、テレビが置かれています。煉瓦の壁にはバラのつるが絡まり、頬紅のような美しい色のバラが咲いていました。「こんな庭を眺めながら過ごせたら素敵ね」 
芝生の上には子供用のブランコもあり、普段家の人たちがくつろいで過ごす場所になっている様子が伝わってきました。

地図を広げて一行は、次はどこの庭に行こうかと相談中。「(H)さんの家は、“Cakes & Jams”(ケーキとジャム)って書いてあるわよ」「ちょっと遠いけど先に行ってみようか。手作りのジャムっておいしそう!」「(E)さんの家は、“リフレッシュメント(Refreshment)”ってあるよ。紅茶やコーヒーを出しているのかしら?歩き疲れた頃にいいわね」

(A)さんの家では、門の横に置かれている空瓶を見つけました。ちょうど通りかかったおじさんが、「ミルクマンが配達している牛乳ビンだよ」と教えてくれました。「私の家でも10年くらい前まで取っていたよ。“Nobody can't see the Milkman”(誰もミルクマンを見ることはできない)という言葉を知ってるかな?毎日家に来ているのに難しい。その理由は、彼は朝6時に来るから。早起きしないと会えないでしょう? ビン置き場の台にしているのは古いオークのワイン樽だね。年代物だ」

(E)さんの家の庭は、パラソルとテーブルを並べて、ちょっとしたカフェになっていました。その家の娘さんと友達でしょうか、かわいらしい小学生の女の子二人がウェイトレス。 「コーヒー、紅茶、何をお飲みになりますか?ゆっくりしていって下さいね!」と元気よく注文を取っていきます。

デメットたちも一休み。小さな村ですが、一つ一つの庭をゆっくり見ていたら、あっというまに半日が過ぎました。15軒のうち、まだ見てない庭が半分以上あります。手作りの雑貨を売る家、本やカップなどフリーマーケットを開いている家、植物の苗や植木を販売している家など、気になる庭はまだまだたくさん。クラスメートは、ホストファーザーにfather's dayのプレゼントにと、ハーブの苗木を買いたいと話しています。

「庭もとてもきれいだし、いろんな人と話が出来るし、とても楽しいイベントね。今日は誘ってくれてありがとう!」と、オープンガーデンをとても気に入ったようすのデメットでした。

 

   

   



 

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