パブのココが好き!イギリスを旅行して77のパブを訪ねたツキノワ夫婦のくまりんとくまりーな。二人ならではの驚きや発見、旅のノートから拾い出してほぼ毎日更新します! No.1-38 No.39-58 No.59-79 No.80-100 & 101
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“Pub Walk”(パブウォーク)というウォーキングの本が本屋にたくさん並んでました。カントリーサイドのウォーキングは、イギリスではポピュラーな休日の過ごし方だとは聞いてたけど、「パブ」+「ウォーキング」って?中を開くと…? いくつかのウォーキングコースが地図で紹介されていて、そしてなんとそのスタートとゴールにはパブのマークが!パブの紹介もされていて、ここで一杯飲むとか書いてある。おもしろーい!パブを中心にしたウォーキングなんて一味違うなぁ。確かに、どんなカントリーサイドにもパブはあるし、休憩や水分補給もできるからいいかも! 運動のあとにゴール地点で冷たいビールを飲めるなんて、最高のごほうびだよね!
日ごろ運動不足のツキノワ夫婦も、その日から趣味はパブウォーク!
ガイドに載っているコースを歩いてみたり、地図を広げながらフットパスを歩いて、自分たちでパブを探し歩いてみたり。きれいな野バラの咲く道を通って、動物や鳥を見ながら緑の中を歩くのってそれだけで楽しいのに、目指すゴールはパブだなんて、気合いも入るよね!
トンガリ帽子のような変わった形の建物。 ホップを乾燥させるための建物で、“Oast House”(オーストハウス)といいます。ホップの一大生産地だったKent州でよく見かけるはず。ホップの生産が減った今は、ほとんど使われてないそうですが、そういう建物は中だけリフォームして住居になっているものも。 イギリスでは古い建物は人気があって、売りに出しても結構高く売れるんだって。 外観もかわいいし、住んでみたーい!
このマークがあるパブは、“Shepherd Neame”(シェパードニーム)ブルワリーと契約しているパブ。シェパーズニームはKentにあるブルワリーで、その近辺にこのマークのパブがたくさんあります。
フリーハウス(No.20を見てね)と逆に、店で出しているビールはエールもラガーもこのブルワリーのもの。でも他では飲めない限定醸造のビールが置いてあったりもするので、品揃えは充実 。 もともとあったパブと契約したり、買い取ったりするんだけど、ブルワリーは自分のところのビールを独占的に売れる訳だし、パブの側も苦しい経営の助けになる訳で、お互い利点があるんだって。 タイドハウスというんだけど、ほかの地域でもそれぞれ近くのブルワリーががんばってるみたい。
私たちが行ったパブの中で歴史が一番古かったのが、このパブ。なんと建てられたのは1500年頃だって!500年以上かぁ。 このパブは自家製のシェリー酒が有名で、そのレシピは秘密に伝えられてきたんだって。こっくりとした甘さでおいしい〜。 実はこのパブも、数年前にシェパードニームのタイドハウスになったんだけど、その伝統のシェリー酒や店の雰囲気はそのまま受け継がれています。(The Crown Inn, Thanet)
歴史のあるパブにつきものなのが、ゴーストの話。 チェスターにあるこの石造りの古いパブには、なんと二人のゴーストが住んでいるんだって。店内のボードにゴーストにまつわる話が書いてあったよ。 一人はセラーに住む男性のゴースト。そしてもう一人は若い女性のゴーストで、白いスカートに長いフリルのエプロン、客室係のメイドだったらしい…。そして彼女はパブの二階の宿泊部屋の、8号室に出るって書いてある…!そして7号室と9号室の間を行ったり来たりするって!具体的すぎる〜!(The Pied Bull, Chester)
海沿いの岸壁に掘られたスマグラー・トンネルの入口。今は煉瓦でふさがれていました。 岸壁は石灰質なので柔らかく、爪の先でも削れるくらい。
スマグラーの歴史や足跡をたどるのは、イギリスではポピュラー。私たちが見つけたのは“Smuggler's Trails”(スマグラーの通った道)という本。なんとスマグラーとウォーキングを合体!スマグラーが通った道やゆかりのパブをめぐるウォーキングのルートを紹介しています。 それに、この地方のパブに伝わるスマグラーの伝説をいろいろ集めていて、読み物としても十分おもしろい。 「夏なのに寒くて暖炉に火を入れたら、煙突に隠れていた保安官が煤だらけで落ちてきた」だって!嘘みたいな武勇伝や、歴史のロマンを感じる話がいっぱいあるんだね!イギリスの人たちはスマグラーの話するのが好きみたい。 (←)スマグラーが描かれています。ティーセットをのせるトレイです。
16世紀頃の中世イギリス。その頃の人たちは、カンタベリー、ヨーク、チェスター、バースなど、重要な“Cathedral”(大聖堂)のある街へ巡礼の旅をしていたんだって。何ヶ月もかかって。 その道沿いにあり、巡礼者たちを泊めたのが“Inn”(イン)と呼ばれていたパブでした。街道沿いのパブは、街と街、教会と教会を結ぶ重要な役割を担ってたんだね。 特に2つの街を結ぶ道の中間点にあるパブは、“HALFWAY HOUSE”(ハーフウェイ・ハウス)と呼ばれる重要な目印だったそうです。
イギリスでは、“What is your local?”(あなたの住んでいるのはどこの地域?)と聞かれたときに、“The Bell”とか、“Golden Lion”というように、住所じゃなくて近くのパブの名前で答えるという話を聞いたよ。家の近くの馴染みの店を「ローカルパブ」というんだって。 日本で聞かれたら、近くのコンビニの名前で答えるくらいなのにね。パブの存在って大きいんだね。一昔前の日本なら「ローカル銭湯」なんていうのと似た感じだったのかも。
日曜日、商店街のお店はほとんどお休み。でもパブはかわらずに昼から営業してるよ。なんでも日曜日も開けなければいけないと法律で決まっているらしい。それに平日でも、夕方5時前にはほとんどの商店が店じまいする中で、パブはもちろん開いています。 営業時間は、昼の12時〜夜の11時まで。通しじゃなくて途中3時から6時まで閉めるパブもあるけど、パブって営業時間が長くて大変だね〜。 でもだからこそ、ふだん仕事している人たちも、一日の仕事を終えた後や休日にパブに出かけてのんびり楽しめるのね。
夜遅い時間までパブで飲んでいると、 「カンカンカンカン〜!」と、店の中に突然鳴り響いた鐘の音。部屋隅にある小さな鐘を、パブのママが木槌でたたいています。 これは夜の11時前、パブ閉店の合図なんです。 「時間だ〜!みんな家に帰れ〜!」といった勢いで鳴る鐘。それを聞いて、お客たちは最後の一杯をオーダーしたり、手元にあるビールを飲み干して帰ったりしてたよ。(The Hussar, Westgate) 夜の11時を過ぎてビールを売ると、法律違反になっちゃうんだって。それ以降もOKなのはナイトクラブだけ。でもそれも最近法律が変わって、パブでも申請すれば深夜営業も可能になったらしいです。
ビールと泡の比率には地域差があるという話を聞きました。 「イギリスの北の方では泡の割合が多くて、南の方では泡が少ない」って。 そうだったかな〜?と思って飲んだビールの写真を見比べてみたよ。 上の写真(↑)は南の方。ロンドンやKentのあたり。 下の写真(↓)は北の方。エディンバラとヨーク周辺です。 微妙! だけど、いわれてみればたしかにそんな感じだ〜! 日本に比べたらどっちも泡が少ないよね。たっぷりビールだ。 (↑)ひとくち飲むとこうなります。北も南も、もうわからない。
このパブでは、昼近くなると店内の一角に給食のようなワゴンがセットされ、鍋やトレイがどんどん運ばれてきました。そしてエプロンを着たおばちゃんがその後ろにスタンバイ。なにがはじまるんだろう…? 12時を回ると、次から次にお客さんが入ってきて、みんなワゴンの前に並んで「これとこれ、あとラザニアもつけて」といって注文しはじめたよ!
劇場が多いことで有名なロンドンのWest End地区。そして劇場の近くには必ずパブがあります。開演前は上演を待つお客さんたちでにぎわってるよ。 時には舞台に出る役者さんが飲んでいたりもすることもあるんだって。舞台の終わった後などに、もしラッキーなら役者さんに会ってお話ができるかも。ねらい目は劇場の裏口近くのパブ。 舞台の合間の休憩、幕間の時に来るお客さんも多いみたい。あらかじめ飲み物を予約しておくこともできるんだって。グラスを傾けながらそこで舞台について話したりするみたい。劇場の中にもバーがあるし、休憩時間ってそういう風に過ごすんだね〜。 幕の内弁当じゃないけど、「幕の内パブ」とでもいうのかな !?
TadcasterというYorkの近くの小さな街には、なんと3つもブルワリーがあるんだって!どんなガイドブックを見てものってなかったけど、ビール好きのツキノワ夫婦だもの、場所を調べてローカルバスで行ってきたよ! バスを降りると、大きな煙突からもくもくと煙の出ている醸造所をいきなり発見!街のハイストリート沿いに、“John Smith”(ジョンスミス)と、“SamuelSmith”(サミュエルスミス)の二つのローカルブルワリーがあったよ!どちらも歴史を感じる煉瓦造りの建物。そして街の裏手には大手の“Coors”(クアーズ)が。ブルワリーから出るモルトの香りが町中に漂ってる!
サミュエルスミス・ブルワリーの隣にパブを発見!まだ午前中だったけどせっかくだもの。 バーに並んでいるビアポンプは、もちろんサミュエルスミスのエール。そしてなんと1パイントの値段が、普段の半額に近い1.33ポンド(270円)! そしてこれがグラスに注がれたビール。この美しい泡立ち、泡が落ち着くまで5分くらいかかったよ。今まで出会ったことのないフレッシュさ、No1! ブルワリーの売店では、パイントグラスや栓抜きなどのビールグッズも買えたよ!う〜ん、いい街だぁ!(Angel & White Horse, Tadcaster)
くまりんがおみやげにしたいとずっと探していたビアポンプ、街はずれのアンティークショップでやっとみつけたよ! この形は1940年代のものなんだって。 念願のビアポンプを手に入れたはいいけど、ずいぶんと重い!帰りの空港の荷物検査は大丈夫かしら…?
イギリスのパブの歴史をたどると、どの店も100年200年以上の歴史があるのはあたりまえ。日本の感覚だと、老舗の暖簾を先祖代々守っているのはすごいね〜なんて話になるかもしれないけど…。 実際にパブのオーナーに聞いてみると、 「十数年前に買い取って始めたんだ。それまでは他の仕事をしてたよ」という話がずいぶん多いんです。新聞広告にも「パブ売ります」という情報が載っていたりするし、ずいぶん自由に売ったり買ったりしている感じ。だからこそ100年200年と続いているんじゃないかしら。 パブの名前についても、その由来を聞いてみると、 「自分がこの店に来たときからそうだったから、それをそのまま使っているだけだよ」という答え。もちろん昔の名前を大切にしているといえばそうなんだけど、無理にこだわっていないというか…。日本のように暖簾や屋号を守っていくという感覚とは違うなぁと感じたのです。
なんといってもパブの魅力は、ビール一杯でゆったりと過ごせるところ。 お金も先払いだし、店員さんも注文を取りに来ないし、チップもいらないし。とにかく気兼ねなく何時間でもまったり過ごせる感じがよかった!ビールを飲みながらおしゃべりするのもよし、本を読むのもよし、ごはんを食べるのもよし。 「人と集まって過ごしながら、自分の家のように気取りなく楽しめる場所」、それが「公の家」=“Public House(パブリック・ハウス)”という言葉の意味なんじゃないかしら〜と、ツキノワ夫婦もイギリスの人たちの感覚がわかってきたよ。