おりがみトトロのおとしもの ~ “I” message
2009年6月10日
子どもが「望ましくない行動」をしている時,それを「やめさせたい」と思っても,
行動によっては,納得できる“理由”を探すことができず,困ってしまうことがあります。
例えば,
保育園,担任が子どもの前で話をしている時,何人かが“話を聞いていない”状況で
「何で先生の話を聞かなければならないのか」
子どもが納得する理由を探すのは意外に大変です・・・
「子どもが大人の話を聞くのは当たり前だから?」
「小学校に行った時に困るから?」
大人だって“人の話を聞いていない”時がある
そこに気づいた子どもには,どんな“理由”をつけても,
なかなか納得してもらえません・・・
そんな時,無理やり“理由”を考えて教えるよりも,ただ,
「そうされるのは嫌だからやってほしくない」
と,こちらの気持ちをそのまま伝えるだけで,子どもの行動が大きく変わることがあります。
「一生懸命話をしているのに,聞いてもらえないのはとても悲しい」
身近な(特に大好きな)人が嫌な気持ちになったり悲しんだりするようなことは,子どもでも大人でもしたいとは思わない,
だから,「それはしないようにしよう」と思うようになる
それでも納得してもらえなければ,
「なぜ悲しい気持ちになるのか」,そして,その気持ちがどこから来ているのか
それを一つ一つをゆっくり丁寧に伝えていく
子どもの心を動かす大きな“理由”の1つは,理論や理屈ではなく,
身近な人(親や先生など)の
「そういうことをしているのを見ると,とても悲しい気持ちになる」
という心からの言葉やメッセージなのかもしれません。
こうした「自分」の気持ちや感情を伝えることは,“I” message と呼ばれます。
“I” message は,「相手の」行動や責任について話す“You” message よりも,有効なコミュニケーション手段と言われています。
自分以外のことについて話す“You” message の場合,私たちは特に自信を持ちきれないと「抽象的であいまいな」表現を使ってしまいがちになります。そして,それが「借り物の言葉」である限り,どこかで“打ち止め”になってしまいます・・・
でも,自分の気持ちであれば,「なぜ嫌なのか」,自信を持ってしっかりと掘り下げて,どこまでも深く,広く,限りなく,自分の世界を目の前の子どもに伝えていくことができます。
“I” messageは,「言われてやる/やめる」のではなくて「自分で選択してやる/やめる」
そんな機会を子どもたちに与え,「子ども自身の世界」を作り上げていくための“お手伝い”になると思います。
保育士と子どもたちとの信頼関係は,同じ出発点に立つことのできる“I” message から始まるのかもしれません。
だから,これからも,毎日「自分の気持ち」をひとつずつ,しっかりと,
目の前の子どもたちに伝えていきたいと思います。

*ハロウィンの仮装をした子どもたち(カナダFort St.John)。一人一人,「“私”がなりたい!」仮装をして近所の家を廻ります。☆仮装も“I”messgaeの1つなのかもしれません.
<山本信>





私も人とかかわる仕事をしています。
やっぱり、気持ちと気持ちが一番通じるんですね。
頭でわかっていても、難しさを感じています。
まず、自分と向き合うことからですかね。
日々努めていきたいですね。
コメント by tama — 2009年6月11日 @ 22:51:09
tamaさん,ありがとうございます。
(お礼とお返事が遅くなってしまってすみません…)
人ひとりひとりと向き合って関わる時には
「こうすれば絶対に大丈夫」という「方法」は“絶対に”なくて
もし,可能性があるとすれば,tamaさんが言ってくれたように
自分と向き合って
自分を理解して受け入れて
その自分をもって
相手と正面から向き合っていく
という“方法”なのかもしれませんね。
人と関わる,例えば「福祉」の世界で強調されてしまう
“人それぞれの(個性を生かした)やり方でいい”という言葉
その“人それぞれ”という言葉が
自分を大切にして,相手を尊重して
それがあって初めて成り立つ「人それぞれ」
であるのかどうか,
そうでないなら,どこから始めればよいのか
そこを最近考えながら,日々過ごしています…
まだまだ僕も自分と向き合いきれていないところがたくさんですが
tamaさんのコメントから元気と勇気をもらって,
また明日から,自分と,目の前の子どもひとりひとりと
目をそらさずに,向かい合っていこうと思います。
コメント by 信 — 2009年7月20日 @ 16:53:32