Posted on 8 月 3, 2008 in カナダ幼児教育, 手作り教材 by MakNo Comments »

実習先の子どもたちの前で,”Science Experiment(科学実験)” を計画・実践するという課題がありました。
内容の指定はなく,「子どもたちを,科学的思考・手法に導くような実験」なら,なんでもよいとのこと。
↓↓↓
The main Developmental Goal of the activity must be Cognitive -to guide the children to develop a scientific attitude and practice science process skills! Also identify any other developmental goals you plan to focus on.

いろいろ悩みながらも,“理系出身”の頭をフル回転させ,かつ,子どもの目線に立ちながら,ひとつの「実験器具」を作りました。

名づけて・・・

Colour mixing disc

1dice1.jpg

I made and used this handmade material in a science activity, “Mixed colours in various ways”—as the other ways, I used coloured cellophane sheets which children can see through and food colours and glasses of water. I made this material of drawing paper, various colours of origami, and a straw (as a handle of the disc). The strength of this materials could be that we can try and retry various patterns of mixing colours while doing like a puzzle—it could also support their fine motor skills. Although some colours could not make the same colours as ones when we try with paints, it could also support children’s development of sense of wonder if we provide developmentally appropriate questions/follow up activities.

「色を混ぜる実験」の中の一つの方法として作ったこのDisc。
使い方は,好きな「ピザ型」のプレートを,ディスクに(8枚)パズルのようにはめ込み,柄の部分を持って回してみるだけ
画用紙とストローで作った簡単な“器具”ですが,好きな色を好きなだけ好きなように何度でも簡単に混ぜてみることができるというのが利点です。

そして,良くも悪くも,絵の具を混ぜた時と色の混ざり方が違う場合があるというのも特徴。例えば,赤と黄色を混ぜるとオレンジになりますが,青と黄色を混ぜても,絵の具のような緑にはなりません。

それが,この器具の「長所」となるか「短所」となるかは,大人の姿勢や子どもへの問いかけ次第

「なんだ,違うじゃん」ではなく,「なんで違うんだろう」と思わせることができたら,それは子どもの一番大切な「不思議に思い感じる心」に,この活動に込められた思いが届いたということ。

子どもとの活動において,「何をどう使うか」はもちろん大事です。
でも,それ以上に

「誰がどう使うか」

そんなことにも気づかせてくれた,思い出の“実験器具”です。

(山本信)

Posted on 7 月 2, 2008 in カナダ幼児教育, 課題 by MakNo Comments »

今回から、カナダ幼児教育に関して学校から示された課題について作成したファイルを要旨とともに掲載していきます。

PORTFOLIO INTRODUCTION(ポートフォリオについて)

Because I am going back to Japan after completing ECE program and will start working as an early childhood educator, it seems to be hard to use this portfolio for employment or licensing purpose in Japan. Therefore, this portfolio itself will be mainly used as my self-reflection—what I have learned in Canada—which will support my professional growth.

However, I cannot say I never come back to Canada and work as an early childhood educator in BC, therefore, I will keep adding and updating this portfolio for my future employment purpose—it will be interesting when I put more stuff in my experience in my future workplace in Japan—and of course my self-reflection. In addition, I am going to translate the whole document into Japanese because all the experience in ECE field in Canada will be very interesting for my future employer and other professionals. Sharing information and experience between children, parents, other professionals and organization as mediators is one of the most important tasks for early childhood educators; therefore, I will share myself little by little with everybody around me.

要旨

 このポートフォリオは、日本で幼児期の教育者として働く際の資格を目的にするものではなく,カナ ダで学んだことについて、私自身が幼児教育の専門家として成長するために作成したものです。幼児教育に関わる場所が日本であるかカナダであるかに関わらず、これらの情報が、幼児教育の大切な課題の1つとして、子どもたち、両親、他の専門家の人たちの間で共有されることも意味があると考えます。そこで、ドキュメントの要旨を日本語に翻訳することによって、少しずつ周りの人たちと情報を共有していけたらと思います。

*カナダのこのプログラムを修了した学生は,通常,このポートフォリオを「自分の幼児教育理念」「自分が何を学んでどれだけのことをやってきたか」を示すものとして,面接(就職活動)の際に持参するようです。

(山本信)

 

 

Posted on 6 月 30, 2008 in カナダ幼児教育, 指針 by MakNo Comments »

Summary(まとめ)

ほとんどの場合,子どもの行為と向き合うために,大人は上記の手法を組み合わせたり様々な手法を用いることが求められます。

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<例>

*例えば,子どもが出された食べ物を食べたがらない場合

“I know you’re not very hungry, but I want you to try a little bit.”
「あんまりおなかすいてないみたいだけど,ちょっとだけ食べてほしいな」

           ↓
 Acknowledge feelings before setting limits. 先に気持ちを受け入れる:9ページ

*それでも子どもが食べようとしないのであれば

You can eat half your sandwich or half your yogurt. You decide.”
「サンドイッチを半分とヨーグルトを半分と,どっち食べたい?」

           ↓
 Offer appropriate choices. 適切な選択権・選択肢を与える:11ページ

*それでも子どもが食べないといい続けたり反抗したりする場合

“I can see you’re not interested in your lunch. Maybe you’ll feel hungry for it at snack time. You can pack it up now and start to get ready for a nap.”
「あんまり食べたくないみたいだね。もしかしたらおやつの時間におなかがすくかもしれないから,今はお弁当をしまって,お昼寝の準備を始めてもいいよ」

カナダ,ブリティッシュコロンビア州の幼児教育に関わる施設では、州政府が作成した文書ガイドラインに基づいた「しつけ」が行われています。そのガイドラインは、子どもが良い子に育つゴールを示すものではなく、「それぞれの大人が、それぞれの子どもとどのように接したらよいか」という出発点を示すものとされています。

原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child

原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書の試訳は、今回で終わります。カナダ社会の「子育て」に対する考え方を知るための資料の1つになってくれればと思います。                     (山本信)

Posted on 6 月 30, 2008 in カナダ幼児教育, 指針 by MakNo Comments »

E.Challenging Behaviours: Intervention(前述までの手法を用いるのが難しい状況での介入)

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1. Redirection(気をそらせる,または活動を変える)
この手法は幅広い年齢の子どもたちに有効です。特に,欲しいものが得られず混乱している2~3歳児には,代わりのおもちゃや用具を与えたり,他の活動を示したりすることが,問題や争いの素早い解決につながることが多い。この手法を経験し成長していくにつれて,子どもたちは自身の気持ちや行動に気づいたり,目の前の「冷静さを保てないほどの刺激の多すぎる状況」から少し離れ,適切でない行為や感情がエスカレートするのを防ぐために,自分自身で活動や場所を変えたりできるようになります。一旦気持ちが落ち着けば,その子どもたちは再び元の環境の中で,他の子どもたちと協力的に関わることができるようになります。自分で自分をコントロールすることのできる環境とは,ひとりひとりの子どもが「心地よい」と感じることのできる環境すべてのことをさします。

2. Holding(抑える)
抑えるという行為は,子どもの安全の面から,もしくは発達を支援する最適な行為であると判断される場合以外は,何歳児であっても用いるべきではありません。子どもが感情をコントロールできなくなり,自分や他人に重大な危害を与える可能性がある場合は,最終手段として保育者が「抑える」ことで,その子どもの落ち着きを取り戻せる場合もあります。この手法の目的は,その子どもを静め自制心を取り戻すまでの間,その子どもや周りの子どもたちの安全を確保することです。大人の静かで落ち着いた態度は,この手法を罰ではなく支援的なものとして機能させるための重要な要素なのです。

3. Time Away(子どもをその場から離し一人でいる状況を作ること)
“Time away”とは,望ましくない行為にエスカレートする前に,「刺激が強すぎたり多すぎる場所」から,自分の行動や感情をコントロールできるような「より静かな場所」へ,前もって移る(移す)ことです。この手法の目的は,子どもの自制心を育て,自身の感情の乱れや不安への気づきを促すところにあります。気持ちを抑えられなくなると,予測できない行為が起こる場合があります。エスカレートした感情や行動を再びコントロールできるようになるためには,子ども自身がより心地よい「過ごしたい場所」を決めることも必要です。そして,その「過ごしたい場所」から,いつ元の場所や活動に落ち着いて戻ることができるのかについては,子ども自身に決めてもらうようにするのがよいでしょう。子どもたちが自分で自分の感情や行動をコントロールしようと思えるようになるのは,勇気づけられ力を得た時,かけがえのない存在として認められていると感じた時,生きがいを感じた時などです。そんな状況に導くための場所は例えば次のようなものです。

<例>
(a) 枕やクッションがあり,絵本を見たりぬいぐるみで遊べたり音楽を聴いたりできるスペース
(b) Foam Chips
(やわらかい発泡スチロール片)や絵本がたくさんあり,やさしい音楽(クジラの鳴き声,そよ風の音など)が流れているスペース
(c)
枕や毛布があり,絵本や音楽のあるロフト

                05091704_traverse&kylie.jpgオーロラの降る街で「time-away」へ

上記の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

(誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

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6. 問題解決の手本になる(Model Problem-Solving Skills)
失望や挫折に直面して,子どもたちが理性を失うのは自然なことです。それを予期できるならば,親や保育士は子どもに対して問題解決の手本となるような言葉がけや支援をすることができます。以下にそうした状況で用いられるやりとりを示しました。

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(a) まず初めに問題を認め受け入れる
“I can see there is a problem. Tim has the bike, and you want it.” 「問題があるみたいだね。ティムが使っているバイクを使いたいみたいだね」
“It’s frustrating when the blocks won’t balance.” 「積み木がうまくバランス取れないとイライラするね。」

(b) 問題をはっきりさせた後,解決の手がかりになるかもしれないような質問をする
“Have you asked Tim to give you the bike when he’s finished?” 「ティムに,終わった後貸してくれるかどうか聞いたかな?」
“What would happen if you put the big block on the bottom?” 「もし大きな積み木を一番下に置いたらどうなると思う?」

(c) さらに必要な場合は解決方法を示す,もしくは実際に目の前でやってみせる
“Tell Tim that you would like to use the bike when his turn is over.” 「ティムの順番の後に使いたいってティムに言ってきてごらん」
“Put the biggest block on the bottom, like this.” 「一番大きな積み木を一番下に置いてごらん。こんな感じで」

(d) 問題解決後,4~5歳以上の子どもには,その状況と問題を振り返ることのできるような言葉がけをする
“Next time, you can try to remember how we solved the problem.” 「次回は,どうしたら問題を解決できるか思い出してみようね」
“You thought you couldn’t do it, but now you’ve learned that you can.” 「できないと思っていたけど,できるということがわかったね」

問題解決の手本になることの目的は,成し遂げるのに障害となっているものを取り除いたり,乗り越えたりする力やきっかけを与えることです。 問題の対象が物であっても他の人であっても,この順序に従っていくことで子どもたちは自然とその流れの中に身をおき,その方法と過程を学ぶことができます。この過程をより経験し慣れていくと,今度は子どもたちが自分自身で問題解決のための提案をしたり代替案を考えたりできるようになります。

7. 適切な選択権・選択肢を与える(Offer Appropriate Choices)
ルールを明確にさせたい時や強調したい時,保育者が子どもに簡単な選択をさせることもできます。しかし,その選択が脅しや罰を与えるものであってはなりません。
<例>
*みんなで集まった時に,子どもたちがうるさくなって先生の話が妨げられる状況で
“You can sit quietly at the circle, or you can choose a quiet activity like a puzzle. You decide.”「静かにここに座っているか向こうで静かにパズルなどで遊ぶか,どっちがいい?」
*順番を待てずに,今すぐ使いたいという子どもに対して
“Do you want to wait there for your turn, or do you want to find something else to do?” 「順番を待つ?それとも何か他のことをする?」

8. 当然の,論理的な結果を示す(Use Natural and Logical Consequences)
*「当然の結果」とは,子どものある行動が必然的な,避けられない結果を生み出すことを示す。
“When you forget to put your picture on the shelf, it’s difficult to find it when it’s time to go home.” 「描いた絵をその棚の上に置いておくと,帰る時に見つけるのが大変になるよ」
*「論理的な結果」とは,子どものある行動に対して順序立てた結果を示し,結果を思い描くことを促す。
“Yes, I can see that the paint spilled. Here is a sponge for wiping it up.” 「絵の具がこぼれたね。ここにこぼれた絵の具を吹くスポンジがあるよ」

9. 用具の使用を制限する(Limit the Use of Equipment)
活動を変える,気分を変えるために,おもちゃや用具を一部子どもの手元から離す必要が生じる時があります。この手法はできるだけ用いず,他のどの方法も効果がない状況でのみ用いるべきでしょう。
<例>
“Since you are having a hard time playing gently on the piano, I’m going to close it now.” 「ピアノをやさしく使うのがちょっと難しいみたいだから,閉じてしまおうと思います」
“The climbing frame is ‘off limits’ now because the climbers are using it in an unsafe way.” 「危ない使い方をしているから,ジャングルジムは立ち入り禁止にします」

10. 子どもが自分で修正するための機会を与える(Provide Opportunities for Children to Make Amends)
相手の気持ちや体を傷つけてしまったような場合には,形式的な謝罪よりも,子ども自身が自分で関係性を修復できるような機会を与える必要があります。その機会を,子どもたちがすぐに「利用」できないとしても提供することが大事です。なぜなら,この手法の最終目的は,関係性の修復には仕返しよりも気持ちと時間が必要であることを,子どもたち自身が学ぶところにあるからです。
<例>
“Sharon doesn’t feel ready to play with you yet, because she’s still upset. Let’s give her a little time.”「シャロンはまだ怒っていて,一緒に遊ぶ気持ちになれないみたいだから,もう少し(彼女が準備できるまで)待っていてあげようね」
“Maybe you could help by getting Michael a kleenex while I get a band-aid. No? Okay, maybe you just feel like being alone for a while.”「私がバンドエイドを取りに行っている間に,(あなたは)ミシェルにティッシュを取ってあげることができるかもしれないね。嫌なの?そう,(あなたは)しばらく一人でいたいのね」

上記の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

(誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

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D.介入(Guidance Strategies: Intervention)その1
前述した手法によって,プラスの環境を整え,問題行動を最小限にとどめることができると考えられますが,実際に望ましくない行動が起きてしまった場合は,介入する必要があります。次に挙げる介入のための手法は,guidance(しつけ)が支援的であること(罰ではないこと)を証明するものとなるでしょう。

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1. 丁寧に敬意を持って子どもの注意を引く(Gain a Child’s Attention in a Respectful Way)
特に危険が差し迫っていなければ,子どもたちに個人的に近づいて,名前を呼び,子どもの目線に降り,穏やかで冷静な声で話しかける。

2. 近くに寄り触れる(Use Proximity and Touch)
子どもが自制心を失いかけているような状況では,そばにいくことでその子どもが落ち着きを取り戻す場合があります。例えば,(争っている)二人の子どもにさりげなく近寄り,二人の間や子どもに手を置くこと自体が有効な介入とガイダンスになります。この手法は,子どもが噛み付いたり,殴っ たり,つねったり,蹴ったり,叩いたりしている時などに役だつでしょう。

3. 思い出させる / 気づかせる(Remind)
子どもたちへのちょっとした注意(声かけ)は,ルールを明らかにしその意味と効果を確かにするための有効な手段です。一般に幼児は集中力が持続する時間が短く,活動中にすぐに気が散ってしまうため,保育者は常に注意(声がけ)をする準備をしていなければなりません。
<例>
“The bikes stay on the bike paths.”「バイクはバイク用の道の上で使うんだよ」
“Sand stays down.”「砂で遊ぶ時は地面に近い位置で」

4. ルールを示す前に気持ちを認め受け入れる(Acknowledge Feelings Before Setting Limits)
ガイダンス(しつけ)を支援的なものとして子どもたちに受け止めてもらうには,子どもたちの気持ちを大人が認め理解していることを知らせることが重要です。ルールを示す前に気持ちを受け入れていれば,子どもたちが否定的・反抗的な態度をとることは少なくなります。3歳以下の子どもたちは,注意を持続する時間が短いため,気持ちを受け入れるだけで十分な場合も多いでしょう。
<例>
“You look really angry. I cannot let you hurt Scott.”「とても怒っているみたいだね。でもスコットを傷つけるのはよくないよ。」
“It’s hard to wait for your turn. The rule is that we line up for the slide.”「順番を待つのは大変だね。でも,すべり台で遊ぶには並ばないと。」

5. 適切であれば気をそらしたり活動を変えたりする(Redirect or Divert When Appropriate)
この手法は,子どもの集中力や言語能力が限られている場合に有効です。例えば,気が動転している幼児の場合は,代わりのおもちゃを与えたり他の遊びをすすめてみたりすることが問題や争いの解決につながるかもしれません。しかし,子どもを問題解決に巻き込まないで”はぐらかす”ことにもなり,その状況で他のアプローチを学ぶ機会を失わせてしまいます。したがってこの手法は,子どもの成長とともに最適なものではなくなり,用いる機会は減少していくでしょう。
この手法を用いる時は,他のどの手法も問題解決につながらなかった場合と認識していなければなりません。気をそらしたり活動を変えたりするために,してほしくない行動の要因となっている周囲の環境を変える時は,できるだけその子どもが求めていたものと同じか近いものにする必要があります。
<例>
(子どもが”外にいられない状況”になり,それでも中へ入ろうとしない場面で)
“I can see you really need to be outside. Let’s get our coats.”「外にいたい気持ちはとてもよくわかるよ。中へ上着を取りに行こう。」

上記の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

                           (誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

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以下は,予防を視野に入れた,それぞれ機会を最大限生かすことのできる,前向きで肯定的な雰囲気の「舞台を整える」ための方法です。

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6. 選択権を与える(Provide Choices)
選択肢を与えることも,大人と子どもの間の力関係(子どもが必要としている力>実際に与えられている力)から生じる問題を予防するための有効な方法です。
<例>
○ “Do you want to put your pants on first, or your shirt?”
「ズボンを先に履きたい?それともシャツを先に着たい?」
× “Get dressed now.”「早く仕度しなさい」

7. 子どもたちがこれから起こることに自分自身で対応するための時間をとる(Allow Time for Children to Respond to Expectations)
子どもたちは,きっかけを与えられたり前もって言われることで,これから起こる変化に対して,より好意的に反応します。目の前の結果を求めるよりも,親や保育者は,子どもが余裕を持って応じることのできるだけの時間を与えるように心がける必要があります。
<例>
○ “In five minutes, it will be time to clean up.”「あと5分で片付けの時間です」
× “Get that cleaned up now.”「すぐそれを片付けて」
○ “When everyone is sitting quietly, then I will begin the story.”「みんなが静かに座ったらお話を始めます」
× “If you don’t sit down there won’t be a story.”「そこに(静かに)座らないとお話はしません」

8. 適切な行動に対して言葉と態度とでほめる(Reinforce Appropriate Behaviour, With Both Words and Gestures)
子どもたちが良いことをした時には,言葉と態度でそれを認めることが大事です。正の強化(好ましい行動をほめ,同じ行動を繰り返させる教育訓練 法)は子どもの自信を支え,望まれる行動を繰り返すのを促します。この方法では,大人は子どもの性格ではなく特定の行動に焦点を当てる 必要があります。
<例>
○ “Thank you for taking turns with Kathy. That’s called being kind.”「キャシーに順番を譲ってくれてありがとう。それを親切と言うんだよ」
× “You good girl.” 「いい子だね」
○ “When you tidy up, it makes our room safe.”「片づけをすると部屋が(きれいで)安全になるんだよ」
× “You’re my best helper.”「あなたは素晴らしい手伝い屋さんだね」
○ “You look really proud of your work.”「仕上げた作品にとても満足してるように見えるよ」
× “I’m so proud of you.”「偉かったね」

9. Ignore Minor Incidents(少しのことは気にしない)
子どものいる環境で働くには,騒音や乱雑,注目して欲しいための子どもたちのいたずら,などに対する寛容さを身につける必要があります。子どもたちの行動が他の子どもや大人の権利を侵害しない限り,むやみに注意するよりも「一息つく」ことの方が最善の策であることがしばしばあります。

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10. Encourage Children to Use You as a Resource(援助してくれる人がいることを子どもたちに知らせる)
守り導き助けてくれる親や保育者が近くにいることを知っているだけで,子どもたちはとても安心し快適に感じます。話を聞いてくれ公平で協力的な態度を示してくれると思うことで,子どもたちに安心感や感情をコントロールする力が育まれます。
<例>
○ “If you’re not sure what to do, ask, and I’ll help you.”「もし何をしていいかわからなければ,いつでもお手伝いできるよ」
× “That’s hard for you, so I’ll do it.”「それはあなたには無理だから私がやるよ」
○ “I’ll stand beside you while you ask Carlos if you can join in.”「カルロスに仲間に入れてもらえるかどうか聞いている間,隣に立ってるね」
× “Don’t be silly, talk to Carlos yourself.”「馬鹿な真似していないで,自分でカルロスに話してきなさい」

11. 注意する(Be Alert)
子どもたちの活動を見守る時は,潜在的な問題にあらかじめ対応できるような位置に立ち,問題が起こったときには素早く適切に対処します。

12. Proximity(近づく)
子どもが他の子どもたちと一緒に遊ぶことを学んでいる段階では,多くの場合近くで見守る必要があります。

上記の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

                        (誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

 R0012715.JPGアイスホッケーと子どもたち

<山本信>

Posted on 6 月 30, 2008 in カナダ幼児教育, 指針 by MakNo Comments »

ルールに関する「なぜ」を教えることにより,子どもたちは社会の一員としてルールを外側からのものではなく内面的なものとして習得していきます

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C.予防(Guidance Strategies: Prevention)その1
以下は,予防を視野に入れた,それぞれ機会を最大限生かすことのできる,前向きで肯定的な雰囲気の「舞台を整える」ための方法です。

1.わかりやすく一貫性のある簡単なルールづくり(Establish Clear, consistent, & Simple Limits)
ルールは,どのような行動が適切かを明確に示すものであり,子どもたちが次に何をするかを知るためのものです。そして安全性と,周囲の環境(自身や他人を含む)の保護がしっかり関連付けられる必要があり,子どもたちが理解できるように、数は少なく,一貫性を保てる範囲に収められるべきです。
<例>
“Inside we walk.”「部屋の中は歩く」
“Chairs are for sitting on.”「椅子は座るためのもの」
“Hands must be washed before we eat.”「食べる前には手を洗う」

2. ルールに明確な説明を与える(Offer Straight forward Explanations for Limits)
ルールを決めた理由や根拠を理解すると,子どもたちはそれらに従い,時には我慢しながら守るようになります。さらに,ルールに関する「なぜ」を教えることにより,子どもたちは社会の一員としてルールを外側からのものではなく内面的なものとして習得していきます。
<例>
“The sand stays down low so that it doesn’t get into people’s eyes.”「目に入らないように砂は低いところで使おうね」
“When you put the toys back on the shelf, people can find them easily when they want them.”「おもちゃを棚に戻しておくと,他の人が次に使うときに探しやすくなるよ」

3.否定するより肯定する方向でルールを制定する(State Limits in a Positive Way, Rather Than in a Negative Way)
建設的なルールは「何かをしよう」に目を向けたものです。親や保育者が肯定的な(否定的でない)表現をすることは、子どもたちにとってコミュニケーションの手本になり,また,こどもたち自身も何が適切なのことなのかを学ぶことに役立ちます。そして,子どもたち自身が殻に閉じこもってしまったり,必要以上に反抗したりするのを軽減することにもつながります。
<例>
○ “It’s time to put the blocks away.”「ブロックを片付ける時間だよ」
× “Don’t leave the blocks on the floor.”「ブロックを床に出しっぱなしにしないで」
○ “Turn the pages gently.”「ページをやさしくめくって」
× “Don’t be rough with that book.”「本を乱暴に扱わないで」

4. 子どもよりその行動に目を向ける(Focus on the Behaviour, Rather Than on the Child)
「あなたはいつも・・・」や「あなたは全然・・・しない」といった言葉は,子どもにとっては自分が責められ批判されていると感じることがあり,そこから生まれる罪悪感や羞恥心は最終的には子どもの自信喪失につながる可能性があります。子どもの性格ではなく行動そのものに焦点を当てることで,子どもを傷つけることなく前向きで建設的なガイダンス(しつけ)をすることができます。
<例>
○ “When you grab the truck, it makes Sam angry.”「(あなたがサムの手から)トラックを取ってしまうとサムが怒る」
× “You should be ashamed of yourself for grabbing the truck.”「(サムの手から)トラックを取るなんて,とても恥ずかしいことだ」
○ “It’s not safe to climb on tables.”「テーブルに上るのは安全とは言えないよ」
× “You naughty boy.”「言うことを聞かない子だね」

5. 質問ではなく,次に何が起こるかを明示する(State What is Expected, Rather Than Pose Questions)
質問(お願い)は,子どもが選択権を持つことを意味します。決められている流れ・ルール・期待される行動に関しては,質問するより明示する方が大事です。子どもが選択権を持つ場合は,その選択権が適切に用いられなければなりません。一方,子どもに選択権がない場合は,次に何が起こるのかをはっきりと述べるべきなのです。
<例>
○ “It’s time to tidy up now.”「片付けの時間です」
× “Do you want to tidy up?”「片付けしたい?」
○ “Your mommy is here. It’s time to go home.”「お母さんが来たよ。帰る時間だね」
× “Do you want to go home now?”「(お母さんが来たから,今)家に帰りたい?」

以下の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

(誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

11568033.jpg誕生日に集まった子どもたち

Posted on 6 月 30, 2008 in カナダ幼児教育, 指針 by MakNo Comments »

ここでの「環境」とは,物理的・社会的な要素の両方を含んだ,子どもたちの周りを囲むすべてのもの

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B: 環境(Environment)

ここでの「環境」とは,物理的・社会的な要素の両方を含んだ,子どもたちの周りを囲むすべてのものを指します。

1. もの(Things)

発達段階にあったおもちゃや用具は,よい状態で与えられ,また子どもたちがその使い方や性質をよく理解できていれば,子どもたちの学習や体験への意欲を促します。環境が行動に及ぼす影響について十分な知識と理解を持っている大人は,子どもたちの周りの環境を適切に整えています。乳児や年少組においては人気のある用具は同じものを二つ以上揃えておくようにします。

2. 空間(Space)

空間の使い方は,子どもたちの行動に大きく影響します。十分なスペースがあれば,子どもたちはリラックスした雰囲気の中で遊ぶことができます。また,子どもと大人の領域・個人と集団の領域などが適切に区分されるならば,争いは最低限に抑えることができます。
このように,計画され整備され見た目も美しい空間は,精神的な安定を促し潜在的な問題行動を極力抑えるための環境作りの重要な要素なのです。

3. ひと People (Adults and Children)

安心で安全な快適環境は,子育てに関わる人が創り出します。大人の言葉や身体的なコミュニケーション能力は,子どもたちにとって重要な手本となります。
優しさや協力性のある環境の中では,子どもたちはお互いの関係を積極的に前向きに学ぶことができます。

4. 時間 / 予定(Time / Program Schedule)

スケジュールの決められた流れの中での変更は,子どもたちが安心感や秩序感を得るための範囲で提供されます。
これらは柔軟な融通性を持つ一方で,そのことにより子どもたちに何が起こるのかについての,明確なガイダンスが与えられなければなりません。
一日を通して子どもたちのニーズに応えるためには,動的・静的な時間,個人と集団による活動,子どもを主体とする内容・大人が主体となる内容のそれぞれのバランスがしっかりしていることが大切です。

以下の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。
原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。

http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http: //www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf
(誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

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   庭で遊ぶ兄妹(カナダの子どもたち )→

Posted on 6 月 30, 2008 in カナダ幼児教育, 指針 by MakNo Comments »

子どもたちそれぞれのスタイルの違いを理解することで,大人や保育者は効果的かつ適切に子どもたちを導いていくことができる。

A:Child Development

1. すべての子どもはかけがえのない存在(Each Child is a Unique Individual)
元来,子どもたちは活動量・注意力・感受性などの点でひとりひとり異なる存在です。子どもたちそれぞれのスタイルの違いを理解することで,大人や保育者は効果的かつ適切に子どもたちを導いていくことができるでしょう。

2. 子どもたちの行動は発達段階の反映(Children’s Behaviour Reflects Their Level of Development)
成長には,試行錯誤・失敗などの困難が伴うということを理解すると,子どもたちがとる社会的に望ましくない行動に対しても、寛容に受け入れられるようになります。子どもに対して発達段階に応じた期待を持つことは重要であり,発達過程で現れてくる問題を知ることで,より有効な対応をとることができるようになります。発達段階に応じて適切な言葉がけやガイダンスのために時間を取ることのできる大人は,子どもたちにとって必要な存在であり,その中で子どもたちは自信,能力,社会生活を営む上での問題解決能力を身につけていくのです。

3. 子どもたちの行動パターンへの家族や文化的慣習の影響(Children’s Experience in Their Family and Culture Influences Their Behaviour Patterns)
子どもや大人に対してどのような行動を求めるかは,それぞれの家族やそれぞれの文化的慣習によって様々です。例えば,協調性・信頼関係・年配者への敬意が重視される場合もあれば,冒険心・自己主張・自立が重視される場合もあります。したがって,それぞれの子どもが持つ背景や価値体系を知ることは,子育てに関する様々なアプローチに対して細やかな対応をするためには不可欠なことです。
こうした子どもたちの発達に関する「原則」を理解すれば、現実に予想される子どもたちのニーズや能力に対して,基本的な態度を持つことができ,また実践経験を積むことができるでしょう。

上記の文は,カナダ,ブリティッシュコロンビア州政府が作成した英文書を,山本信が試訳したものです。原文(英語)はブリティッ シュコロンビア政府のウェブサイトで他の法律など公式な文書と合わせて見ることができます。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child
原文そのものは次のURLで。
http://www.healthplanning.gov.bc.ca/ccf/child/publicat/comm/com015.pdf

                                  (誤訳などいろいろご指摘いただければ幸いです。山本信)

おりがみトトロと顔なし

          “No Face”(顔なし)作れる? いや・・・ totoro(トトロ)は? うーん・・   

 交換留学生として過ごしたニュージーランド・オークランドの学生寮でのこんな会話からおりがみトトロは生まれました

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